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子宮頸がんワクチン シルガード9の定期予防接種開始

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傾向)

20-30代の若い女性に子宮頸がんが増加しています。

日本で毎年1.1万人の女性が子宮頸がんになり、毎年、2900人の女性が亡くなっています。

20歳から増え始め、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう人も1年に1000人います。

原因)

HPV(ヒトパピローマウィルス)の感染が原因です。性交渉により感染し、女性の多くが一生に一度は感染すると言われています。

感染してもほとんどの人では、ウィルスが自然に消えますが、一部の人でがんになってしまことがあります。

ワクチンの効果と副反応)

日本では、小学校6年生から高校1年相当の女の子を対象に子宮頸がんの原因となるHPVを防ぐワクチンの接種を提供しています。HPV感染を防ぐ有効な手段で受けることが強く推奨されています。

重篤な副反応は2価(サーバリックス)で0.0079%、4価(ガーダシル)で0.0088%です。

9価(シルガード)もこれらと同様です。

ワクチンの種類)

①サーバリックス(2価):  予防するHPV型→16、18型

②ガーダシル(4価):  予防するHPV型→16、18、6、11型

③シルガード9(9価):  予防するHPV型→16、18、31、33、45、52、58、6、11型

シルガード9について)

シルガード9は9価ワクチンで、サーバリックス、ガーダシルが子宮頸がんの予防効果が60-70%であるのに対して、シルガード9は90%以上の予防効果をもつことが期待できます。

2価ワクチンまたは4価ワクチンで接種を始めた方が、残りの回数を接種する時に9価ワクチンを使用することは、差し支えないとされています。

つまり過去に2、4価を1回、または2回打ったけど、残りは9価で、という選択も公費接種では可能です。

 

番外編 男性は打たなくていいの?)

HPVの感染は性交渉が原因の場合がほとんどです。

女性のみならず男性もHPVワクチンを接種することにより、感染が広がることが効果的に予防できて、集団全体のHPV感染率が下がっていく「集団免疫」も期待できます。

男性がHPVワクチンを接種することは、自分を守ることができるだけでなく、大切なパートナーを病気から守ることにもなります。

アメリカやイギリス、オーストラリア、カナダなどでは、政府が女性だけでなく男性へのHPVワクチン接種を推奨しています。

オーストラリアでは88%、アメリカでは64%の男性がHPVワクチンを接種しています。

このように、いくつかの先進国では男性へのHPVワクチンの接種が当たり前になりつつあるのです。

残念ながら現在、日本では男性に対するHPVワクチンの公費助成はなく、全額自己負担となります。

接種年齢については、性交渉を行う前の段階での接種、または尖圭コンジローマを発症していなければ、26歳くらいまでの接種が推奨されます。27-45歳の方は、効果は部分的であるため、接種は総合的に判断して決める必要があります。

ご希望の方は、ご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

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